Column2 of [設計事務所・工務店・新築・増改築・店舗改装]山口県宇部市「山下建設」

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[設計事務所・工務店・新築・増改築・店舗改装]山口県宇部市「山下建設」

【住宅は『国策』】

 住宅は自由経済における自由な消費によって建築されます。みなさんのお家も、みなさんの意思で、好きな形、好きな色、希望の間取りで建築されたことでしょう。しかし、住宅を含む全ての建築物は、完全なる自由のもとにつくられることはありません。そこには国の意思が働いています。戦後、焼け野が原となった国土。住む所を失った国民に、一刻も早く住宅を与えることが急務となった時代には、住宅の「質」は重視されず、とにかく住宅という形を量産することが最大の眼目でした。高度経済成長に突入したときには、建設・不動産業が経済を牽引したといいう側面もあり、スクラップ&ビルドを繰り返す消費財としての役割を住宅が担った時代であったようです。そして、先進国の仲間入りを果たした今日、充分に豊かになった我が国は、どのような住宅を見据えているのでしょうか。

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【キーワードは『環境』】

我が国のエネルギー消費のうち、家庭部門の占める割合は13.1%です。産業(48%)や運輸部門(24%)と比較すると小さいものですが、伸び率が大きいために省エネルギー対策が最も強く求められている分野のひとつです。一方で、我が国の住まいには、健康増進・利便性・快適性の向上といった点において、改善や質的向上が求められており、省エネ化と質的向上のふたつの課題を同時に解決する必要があります。そこで、国土交通省国土技術政策総合研究所と独立行政法人建築研究所は、ひとつのガイドラインを策定しました。このガイドラインは現時点において最も進んだ住宅の姿を示し、かつ現在既に有効な技術の組み合で実現可能な住宅を提言しています。


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【自立循環型住宅ガイドライン】

自立循環型住宅とは、住生活において必要とされるエネルギーの供給を他者から受けることなく、完結型のエネルギー受容・消費のシステムが確立した住宅。このように定義されています。つまり、現段階での住宅を『自立』させると、電線によって電気の供給を受けない、給水管によって水の供給を受けない、排水管によって汚水を流さない住宅となります。さらに、『循環』とは、汚水を浄化し再利用を繰り返すことであったり、生ゴミを自邸内で処理したりすることを意味します。自立循環型住宅とは全てのことが自邸内で完結してしまう住宅です。どうやら国は、長期的展望として、このような住宅にすることを目論んでいるようです。しかし、そんな住宅が10年程度で実現できるわけありません。我々の代では実現不可能な気もします。そこで、直近の目標として次のように定義されました。
 自立循環型住宅とは、気候や敷地特性などの住宅の立地条件および住まい方に応じて極力自然エネルギーを活用した上で、建物と設備機器の設計や選択に注意を払うことによって、居住性や利便性の水準を向上させつつも、居住時のエネルギー消費量(二酸化炭素排出量)を2000年頃の住宅と比較して50%にまで削減可能な、2010年時点までに十分実用化できる住宅である。

【13要素技術の手法】

上記の直近目標を達成するために、13の要素技術が掲げられました。以下に示します技術を丁寧に計画することで、自立循環型住宅を目指します。

01.自然風の利用  02.昼光利用 
03.太陽光発電    04.日射熱の利用  
05.太陽熱給湯    06.断熱外皮計画
07.日射遮蔽手法  08.暖冷房設備計画  
09.喚起設備計画  10.給湯設備計画  
11.照明設備計画  12.高効率家電機器の導入  
13.水と生ゴミの処理と効率的利用


どうでしょうか!?よく見ると何も特別な要素はありません。今ある技術の組み合わせなのです。



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自立循環型住宅公式ホームページ